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第三回日本サウナ学会研究奨励賞

1,結果発表
学術大賞

『サウナ温冷交替入浴中の人体深部・皮膚温度が予測可能な生体温熱モデルの開発』

西舘来夢、古川琢磨

奨励賞

研究課題名 『サウナによるコンディショニングは短期的な疲労回復効果があるのか』

『サウナには心理的競技能力を向上させる効果があるのか』

後藤和志、八幡大成

研究課題名 『サウナ施設における男女格差は存在するか 』

岡田譲二

研究課題名 『サウナの入浴効果を最も高める泉質名の考察』

渋谷優斗

*略敬称

 

2. 審査にあたってのコメント

学術大賞

サウナ中の高温状態で、深部体温を測定する生体温熱モデルを開発した研究です。

サウナの人気が高まる中、多様な温浴施設が登場していますが、「ヒートショック」などのリスクを正確に理解し、予防する必要が高まっています。高温や急な温度変化、水や湯の中といった厳しい環境は、人だけでなく機器にとっても難しく、十分な対策がされていません。

この研究では、簡単なデバイスを使って、生体温熱モデルで深部体温を正確に予測することができることを明らかにしました。これは温浴施設での熱中症対策に非常に役立つものです。サウナという厳しい環境でのこのようなモデルの開発は、学術的にも社会的にも価値があり、そのため満票での受賞となりました。

奨励賞

本年における研究は、サウナに関する多岐にわたるテーマを取り上げ、参加された研究者の年齢層も多様であり、サウナ研究の進化と多様化が確認されました。

地元・米子東高校の後藤氏及び八幡氏による研究は、運動部を対象としたサウナ浴による心身のコンディショニング効果を詳細に調査したものです。サウナの利用が競技前の心理的調整に有効であることが示唆され、その学術的価値は高く評価され、奨励賞を受賞いたしました。

岡田譲二氏の研究は、サウナ施設における男女の格差についての詳細な調査を行いました。男女格差の是正は国際的にも重要視される課題であり、岡田氏の報告はこの問題への取り組みを後押しするものとして、奨励賞を受賞いたしました。

渋谷優斗氏は、サウナ浴の効果を最大限に引き出す温泉の泉質に関する研究を行いました。日本国内においてサウナと温泉の組み合わせは一般的であり、その相性に関する研究は非常に価値があり、その独自性と深みから、奨励賞を受賞いたしました。

3. 論文内容について

2023年11月25日に開催する日本サウナ学会学術総会2023(於: 鳥取県米子市))にて学術大賞受賞者による発表を予定しています。

学術総会後、受賞対象論文は「The Japanese Journal of Sauna 2022」として日本サウナ学会ホームページに全文掲載する予定です。

最後に

本年も様々なテーマを取り扱った研究が多く寄せられ、参加者の年齢層も多様でした。これらの研究から、サウナに対する関心の高まりを実感いたしました。 サウナの利点だけでなく、注意点やサウナと他分野との相関や、男女格差の是正といった社会的な意義を持つ研究が増加しており、サウナ研究のさらなる進展を心から期待しております。